眼圧を下げる緑内障手術
緑内障の手術は、点眼薬・レーザー治療を行っても、緑内障の進行が抑えられない場合に、必要となります
緑内障の手術の目的
眼圧を下げることで、緑内障の進行具合を遅くさせるために行います。
線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)
手術で眼圧が下がる理由
手術で、眼球内の水(房水)が、白目(結膜)の下へ出ていく水の通り道を作成。
⇒眼球内にある水の量が減る。
⇒眼圧が下げる。
手術後は、白目(結膜)に、房水溜まりによる膨らみ(濾過胞)ができます。この白目の膨らみ(濾過胞)が大きいほど、眼圧が低く保たれることになります。
手術後に患者さんが注意すべき事
眼圧の上昇
トラベクレクトミー手術後、ある程度の期間が経ってから、眼圧が上昇してきてしまう場合があります。その場合は、緑内障点眼薬の追加、手術処置や、更なる緑内障手術が必要になります。このため、手術後も、定期的な眼圧測定は必要です。
濾過胞の感染症
トラベクレクトミー手術後、長期的に見ますと、約1%の術後患者さんに、白目(結膜)の濾過胞の部分の細菌感染症が生じると言われています。濾過胞の感染が生じても、すぐに抗生剤点眼の加療を行えば、大抵の場合、大事に至らずに改善します。しかし、濾過胞の感染から、眼内の感染症を引き起こすと、重度の視力低下につながる場合があり、注意が必要です。
このため、トラベクレクトミー手術後の患者さんは、結膜炎の症状(充血やメヤニ)を生じましたら、濾過胞の感染が起きないよう、結膜炎といえども、早く眼科に受診して治療を受けるべきです。
手術で起こりえる主な合併症
手術によるメガネで矯正しきれない強い乱視
眼圧が低くなり過ぎることによる視力低下
トラベクレクトミー手術費用
保険負担3割:約11万円
※70歳以上で、保険負担割合が1割・2割の場合、保険制度における1か月の外来治療費における自己負担の上限度額が適応されます。
このため、70歳以上の方の窓口での支払い額は、1万8千円となります。(自己負担の上限度額は、人それぞれ異なりますので、これより低い治療代金の場合もあります。)
保険負担1割・2割:約1万8千円
低所得区分:約8千円